自発吸収能力 をご存知ですか?
でき太くんが目指す教育では、子どもが本来持っている力“自発吸収能力”に重きを置いています。
“自発吸収能力”とは、子どもが自分の能力に対して自信と肯定感が持てるようになってくると、自然に生まれてくる学習能力です。
この“自発吸収能力”が働き出すと、子どもは“スーパーパワー”を発揮するようになります。
– 肥料を与えなくてもお米が勝手に育つ
教え込みをしなくても、能力がグングン伸びる –
人間は、本来、物事を自然に吸収していく能力を持っています。
これが、当算数クラブでいう“自発吸収能力”です。
つまり、子どもはひとりで学んでいく環境さえ整えてあげれば、自分ひとりの力で学習を進める“自発吸収能力”を発揮していくようになるということです。
当算数クラブの考え方と非常に似通った農法が、今注目を浴びています。
最近は、食の問題がクローズアップされてきたため、農薬や科学肥料を使わない有機農法がたくさん出てきました。
しかし、ここで紹介するのは、もっと画期的な農法です。
それは、「お米の苗に肥料を与えなくても、お米が自分の力で成長に必要な栄養を摂取して、勝手に自育していく」という農法です。
肥料を与えなくても、お米が勝手に育つというのですから、この農法は画期的な農法だと思います。
しかも、除草剤や害虫予防のための農薬も全く必要ないというのですから驚きです。 これは、「フィールド農法」と呼ばれている農法で21世紀の新しい農業をリードする農法になるでしょう。
この「フィールド農法」は、当算数クラブの「教えない学習」と同じ考え方をしています。
「フィールド農法」では、自然の持つ力をうまく使えば、お米は、自分の力で栄養摂取して、自育していくことができると考えています。
当算数クラブでも、子どもたちは、環境さえ整えてあげれば、自分の力で物事を吸収していく“自発吸収能力”を発動して“スーパーパワー”を発揮することができると考えています。
「教えない学習」では、学習の中心は、先生ではなく子どもが主人公になります。
当算数クラブの学習材で学習すれば、子どもたちは、自分ひとりの力で新しい単元の内容をどんどん習得していきます。
「自分でできた !」という成功体験は、次の学習課題も「自分でできる」という自信を生みます。 こういうプラスのサイクルが、さらに“自発吸収能力”を育てていき、さらに“スーパーパワー”を発揮するようになるのです。
このように、自発吸収能力さえ育ってくれば、「肥料を与えなくても(教え込みをしなくても)、お米(能力)が勝手に育つ」というフィールド農法と同じことが起きてくるのです。
フィールド農法のすごいところは、「お米に肥料を与えなくても、お米が自分で育っていく」ということでした。 これは、従来の農業では考えられない夢のような話です。
では、どのようなメカニズムで、このようなことができるのでしょうか?
外から肥料を与え続けると、お米の苗は根を張らなくても、十分に栄養分を取ることができるため、A層でしか根を張りません。
しかし、外から肥料を与えられないと、苗は栄養分を求めて、B層まで根を張っていきます。
ここでは、専門的な詳しい話は省略しますが、B層には空中窒素を取り込んで生きている嫌気性球菌が生息していますから、B層は窒素がたくさんある自然の“肥料工場”になっているのです。
そのため、B層までお米の苗の根が到達できれば、外から肥料を与えなくても、お米は肥料となる窒素を十分に取り込むことができ、スクスク自育することができるのです。
つまり、B層は自然の「無限肥料工場」なのです。
自発吸収能力のメカニズムも、これと全く同じです。
従来の教育では、同じ年齢の子どもを学年枠でくくって、同じ教材で勉強をさせています。
しかし、現実には、子どもが100人いれば、100通りのスタートラインが必要です。
あるお子さんは、小学校3年生であっても、2年生に戻って学習をスタートする必要があります。逆に、算数の勉強が好きなお子さんは、自分でどんどん勉強を進め、4年生レベルの学習をしているお子さんもいます。
自発吸収能力を育てるためには、100人のお子さんに対して100通りの学習材が必要です。
子どもが自分の力で学習を進める環境を整えてあげれば、子どもたちの中に、“自発吸収能力”の芽が自然に発芽して、子どもは自分の力でどんどん勉強していくことができるようになってきます。
「フィールド農法」でも、土壌という環境を整えてあげることが、植物の成長にとって欠かせない条件であるように、子どもの自発吸収能力を育てる場合でも、ひとりひとりにピッタリあった学習材を用意して、学習環境を整えてあげる必要があります。
このようにして自発吸収能力を用いた学習を継続していくと、子どもは、B層にある「無限の肥料工場」まで根を伸ばしていき、”自発吸収能力”を使って”スーパーパワー”を発揮するようになります。
フィールド農法と同じことが教育でもいえます。
教える教育を通して、教えられてばかり育った子どもは、自分の力で考えようとしなくなります。
つまり、苗でいえば、教えられることをあてにしてA層でしか根を張らないということです。
「教える教育」で育った子は、教えてくれる先生に依存してしまい、自分の能力を信じることができなくなってしまいます。
ここで、子どもの自発吸収能力を最大限に発揮する「教えない学習」をさせていくと、子どもは自分の能力に自信を持ち始め、自分の力でどんどん学習を進めていける体質に変化していきます。
苗でいうと、子どもの根はB層まで深く達することになります。
B層は、自分の能力に対して絶対的な自信を持てる世界です。
つまり、B層にまで根を張ることができると、子どもはどんな難局に出会っても、自分の能力を最後まで信じることができる全肯定の世界に立つことができるということです。
このレベルに至ったお子さんは、算数だけではなく、他教科でも、その能力を発揮していくようになります。
このように考えると、アレもコレもと手を広げるのではなく、1教科だけでもB層まで根を張る教育を行うことが能力開発の“キメ手”になるということが分かって頂けるものと思います。
自分の能力に対して肯定感を持てるようになることが、「教えない学習」の最大の目標です。
多くの人は、「教育とは、子どもに勉強を教えることだ」と思い込んでいます。
しかし、現在の教育の荒廃状況を見ると、私たちはそろそろ、その錯覚から目覚め「教えない学習」について考えてみる時期にきているように思います。