日本人が主食として食べているお米は、日本の食文化の中心的存在です。
お米の存在は、私たちの食事を豊かにし、私たちの健康にとても重要な役割を果たしています。
ところで、私たちの生活にとって大事な、そのお米の成長過程について、じっくり考えたことがありますか?
実はお米の成長過程が、私たち人間の能力を向上させるメカニズムと同じメカニズムであることをご存知でしょうか?
前回は、フィールド農法のお米の作り方を通して、“自発吸収能力”について、お話をしましたね。
でき太くんの算数は、お米の成長と子どもの成長メカニズムが同じであるとみています。
フィールド農法のお米の作り方を紹介したのは、みなさんに能力開発の方法を具体的にイメージしてもらうことができると考えたからです。
そこで、ここではポイントについてお話しさせていただきます。
こちら信州では、5月にお米の種まきをし、10月に収穫します。
芽が出て、実を結ぶまでに6ヶ月の期間が必要なのです。 つまり、お米の命は6ヶ月ということです。
フィールド農法では、この6ヶ月の期間で、お米の能力を最大限に発揮させる方法を開発しました。
普通、お米は一反歩当たり、8俵~10俵ぐらいの収穫ですが、フィールド農法では、30俵の収穫を目標に研究を重ねています。
ひとつの苗から、3倍以上もの能力を発揮させようとするのですから、これはすごいことですね。
さて、この研究を通して分かったことがあります。
「稲の能力を最大限に発揮させるには、稲が成長する6ヶ月のうちの最初の1ヶ月が勝負どころだ」ということです。
最初の1ヶ月のうちに、稲の苗から“自発吸収能力”を引き出すことができれば、驚異的な稲を育てることができるということが、この研究からわかってきたのです。
これを子どもに置きかえるとどうでしょう?
稲の成長の最初の1ヶ月というのは・・・
子どもでは、小学校3年生までの低学年の時期に相当します。
つまり、子どもの能力を引き出すには、小学校低学年の時期に“自発吸収能力”を
身につけさせることが何よりも大切であるということです。
稲の苗は、最初の1ヶ月の発育に失敗すると、その後の収穫が期待できません。
これと同じで、子どもの場合も、低学年のうちに 「自学自習」が身についていないお子さんは、“自発吸収能力”が育たず、将来的に先細りしてしまうのです。
さて、ここでみなさんには、次のことをイメージしてほしいと思います。
例えば、小学校低学年のうちに“自発吸収能力”をしっかりと身につけたお子さんがいたとします。
一方、人に依存してばかりいて、“自発吸収能力”を身につけることができなかったお子さんがいたとします。
これら2人のお子さんを比べると、学年が進み、小学校高学年や中学生になると、二人の学力差は明らかになってきます。
学年が進めば進むほど、大きな開きとなって違いが明確なものとなってきます。
そのように考えると、小学校高学年や中学生になって、自分の勉強を自分で進めることができないというのは、致命的なマイナス要因となるのです。
このようなことにならないために、みなさんにはぜひこのことを知っておいて頂きたいと思います。